“不幸にして交通事故や様々な事件、事故の被害に遭ってしまったケースにおいて、被害者側の斟酌事由を考慮しなくてはいけない場合も多いのですが、斟酌事由を十分に酌みとってもらえないケースがほとんど、というのが現在の日本の交通事故における現状です。
「交通事故に遭ってしまった被害者が交通事故後に入院または通院生活を余儀なくされ、予定していた旅行などのレジャーの計画を変更せざるを得なかった。」
「交通事故に遭って入院していた為に勤めている会社を休まざるを得なくなり、会社に大変迷惑をかけたばかりではなく、上司からの印象も悪くなってしまった。自分自身の出世にも影響があると思う。」
こういった言葉は交通事故に遭った被害者の方からよく聞かれる言葉なのですが、これらの言葉を斟酌して斟酌事由を加害者側に認定させる事は非常に難しいのが現状です。
斟酌事由を加害者側に認定させる事が難しい理由として、被害者が実害として受けた身体に対する怪我や車や器物に対する損害については当然賠償の対象になるのですが、上記の様な精神的、間接的被害については明確な判断基準が無く、斟酌事由として酌みとってもらえない事の方が多いのです。
この様な理由から、斟酌事由を認定させる為に被害者が弁護士を立てて加害者と争う事も多いです。
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交通事故に遭ってしまい、被害を被った被害者が「相手の加害者が加入していた民間の保険会社の任意保険の基準表や自賠責の算定法に基づいて慰謝料を算定されたが、 自分は直接的な被害だけではなく、様々な公私に渡る間接的な被害を被っているので、その被害分を加算してもらわなければ全く納得出来ない」、という主張をする事は多いです。
しかし、それらの被害者側が交通事故によって被った精神的な被害を全て明確な金額に換算して加害者が支払うべき慰謝料に加算するという事は、簡単な事ではありません。
例を挙げると、例えば「被害者が予定していたレジャーや旅行の日程を交通事故に遭った事が原因で変更した為、予定していた旅行を楽しめなかった事に対する精神的な損害を金額に換算して欲しい」というケースに限ったとしても、様々な事情が考えられます。
上記のケースで考えられる事としては、交通事故に遭ってしまった被害者の年齢が若いのかそれともお年寄りなのか、若ければまた旅行に行くチャンスはあるかもしれないが、お年寄りはもしかしたら予定していた旅行が人生で最後の旅行となったかもしれない、などです。
これらの斟酌事由を加害者に認定させるには法律面での問題もあるので、弁護士を立てて被害者が加害者に斟酌事由を認定する様に求める場合もあります。
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被害者側も勿論1人の人間なので、人それぞれの様々な事情があります。
しかし、交通事故に遭ってしまった被害者に対して加害者側から充分な対応が得られない場合も多いのです。
中には交通事故を起こした加害者側が交通事故に遭ってしまった被害者に対して一度も謝罪を行わないケースもあります。
交通事故に遭ってしまった被害者が被った精神的な苦痛に対して加害者に賠償金を支払ってもらおうとするのは当然とも言える考え方であり、「加害者から被害者に対して支払う慰謝料においては被害者が被った精神的な損害に対して相当の賠償金が支払われるべきである」との主張は正当な主張であるとも言えます。
しかし、そもそも他人である交通事故の被害者が被った精神的な苦痛の大きさを明確な金額として算定する事は残念ながら不可能です。
ある程度までの被害者側の事情については民間の保険会社が提供する任意保険が定めた慰謝料の表などにも一般的な不利益として慰謝料の金額に含まれる事もあります。
しかし、任意保険の定める慰謝料においては被害者が交通事故で被った精神的な損害について十分な対応がなされていないのが現状なのです。
この為、加害者側、加害者が加入している任意保険を提供している保険会社を相手取って被害者が弁護士を立てて訴訟を起こすケースもあります。”