“交通事故によって被害者の方が負ってしまう後遺障害の中でも、頻繁に裁判沙汰になる程認定が難しい後遺障害に「膀胱直腸障害」があります。
膀胱直腸障害とは、交通事故に遭ってしまった事が原因で被害者の方がご自身で排尿や排便が正常に行う事が出来なくなってしまう症状なのですが、この膀胱直腸障害は交通事故後かなり経過してから症状が現れてくる事も珍しくないのです。
膀胱直腸障害は交通事故の直後には症状が出ない事も多く、交通事故の怪我の診断を行った医師が膀胱直腸障害を見落としてしまい、診断書に膀胱直腸障害について書き漏らしをしてしまうケースも少なくありません。
そして事故後時間が経過してから膀胱直腸障害の症状が出た場合、被害者の方が負った後遺障害が交通事故によるものなのか、という因果関係を証明するのが困難となり、加害者もしくは医師を相手取った裁判などの争いの原因となる事もあります。
この様な複雑化した事態が発生してしまう事を防ぐ為にも、もし交通事故に遭ってしまい事故後に医師の診断を受ける時には、被害者の方がご自身もしくは弁護士を依頼してきちんと膀胱直腸障害を見落としていないかどうかについて医師に話す事をおすすめします。
膀胱直腸障害の症状として代表的な物は「自分自身で括約筋がコントロール出来なくなってしまう」という症状です。
人体における排泄のメカニズムというのは、人間の体の中の膀胱や直腸の中に小便や大便などの排泄物が溜まってきた時に、排泄物が溜まってきた事を能に知らせる為に膀胱や直腸からの信号が脊髄の中に通っている排尿や排便の中枢神経を通り、脳へと伝達されます。
脳はその信号を感じて受け取る事で、人間が排尿や排便をするタイミングなのかどうかを判断します。
小便をする尿道を閉めたり開けたりする機能がある尿道括約筋、そして肛門を閉めたり開けたりする機能がある肛門括約筋という身体の中の筋肉は、健康体であれば問題無く自分自身の意思で調節、つまりコントロールが可能です。
健康な人であれば自分が排泄しようと思った時に、これらの括約筋を緩めてから排泄する形となります。
しかし、交通事故で膀胱直腸障害を負ってしまうと、脊髄の損傷が原因となって身体の中にある膀胱や直腸が出す信号である排泄サインが上手く脳に伝わらなくなり、尿道や肛門の括約筋が正常にコントロールする事が出来なくなる状態になってしまいます。
この様な重大な症状を見逃さない為に、交通事故後に医師の診断を受ける時には弁護士を立てた上で診断に臨む被害者の方も少なくありません。
後遺障害の中でも特に膀胱直腸障害が医師による診断において見落とされがちなのには理由があります。
それは第一に膀胱直腸障害の障害の症状が交通事故に遭った被害者の方の身体にすぐに出ない事が理由として挙げられます。
しかし例外もあり、交通事故で負った脊髄の損傷が重く、脊髄の中で既に神経が切断されてしまっている場合などには膀胱直腸障害の症状が事故直後から現れると言われています。
交通事故に遭われた被害者の方の脊髄の損傷の程度によっては、交通事故の直後には症状が出ていなかったとしても、時間が経過した後で徐々に症状が出てくる事も多いのです。
例としては、被害者の方の脊髄の中で起きている出血が凝固して血栓となり、血栓が脊髄の中で神経を圧迫した事が原因で膀胱や直腸が出す排泄サインである信号が上手く脊髄や脳に伝わらなくなり、かなり時間が経ってから症状が出てくる事もあります。
そもそも、膀胱直腸障害が被害者の方の身体に症状として現れるようなダメージを脊髄に負ってしまった場合には、膀胱直腸障害以外にも手足の痺れなどの様々な身体症状が出ているケースが多いので、手足の痺れなど他の部分に注視するあまり、膀胱直腸障害が見落とされがちとなってしまう事に繋がってしまうのです。
いずれにしろ、膀胱直腸障害において最も重要な点は法律の専門家である弁護士に依頼するなどしてきちんと交通事故直後の医師の診断時に膀胱直腸障害の見落としがないかどうかを医師に確認する事が重要な点となります。 “
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